2007年7月31日
アマチュア無線機
新製品案内
144/430MHz帯FMデュアルバンダー「TM-D710シリーズ」を新発売
位置情報やメッセージの送受信が可能なデータ通信システム「APRS」を
標準搭載することで世界中の人々とマルチコミュニケーションが可能
 株式会社ケンウッド(社長:塩畑 一男、本社:東京都八王子市)は、送信出力50W対応*1、1000チャンネルメモリー、EchoLink®*2標準対応など基本性能を充実させたうえ、アマチュア無線の世界で標準的になりつつある画期的なデータ通信システムAPRS®(Automatic Packet/position Reporting System)*3に対応するなど、GPSによる位置情報やメッセージなどの多彩なデータ通信機能を搭載した144/430MHz帯FMデュアルバンダー「TM-D710シリーズ」を8月下旬より発売いたします。
 
品名 型番 希望小売価格
(本体価格)
発売時期
144/430MHz帯FMデュアルバンダー TM-D710S 89,040円
(84,800円)
8月下旬
144/430MHz帯FMデュアルバンダー TM-D710 83,790円
(79,800円)
8月下旬
*希望小売価格はすべて消費税込みの価格です。
TM-D710S/TM-D710
TM-D710S/TM-D710
製品の企画背景および概要
 現在、アマチュア無線機器市場は全世界で160億〜170億円ほどの規模とみられています。そのうちFMモービルトランシーバー市場は、従来は高級機と呼ばれたデュアルバンドタイプの占める割合が年々増加しつつあり、2006年度の全世界での実績は金額ベースで約50%強、国内市場にいたっては台数・金額比率がほぼ100%と大きな割合を占めており活気のある市場と言えます。

 このたび発売する「TM-D710シリーズ」は、今年6月に発売を開始し好評の「TM-V71シリーズ」の上位モデルとなる製品で、EchoLink標準対応など、「TM-V71シリーズ」で好評の機能はそのままに、AX.25準拠のTNC(Terminal Node Controller)を内蔵することで、文字伝送など多彩なデータ通信を実現。世界的標準システムとなりつつあるAPRSや日本でのGPS位置情報システム「ナビトラ*4」に対応することで、その機能をさらに充実させました。また、大型パネル・大型液晶の採用により、高い操作性・視認性を実現しています。

 ケンウッドは、アマチュア無線分野で培った、技術、ノウハウと、最先端技術を融合した製品により、ユーザーの皆様に新たな使用シーン、新たな楽しみをお届けするとともに、「無線通信=コミュニケーション」の分野におけるより一層のプレゼンスの強化をめざします。
 
*1: TM-D710は送信出力20W
*2: EchoLinkは米国Synergenics, LLC社の登録商標です。公式サイトhttps://www.echolink.org/
*3: 1992年にWB4APR(Mr. Bob Bruninga)が開発して以来、世界中で数万人のユーザーが使用している位置情報、英文字メッセージ、気象情報などのやり取りが可能なデータ通信システム
*4: GPS受信機で受信した位置情報と文字データを、アマチュア無線機を利用し相互通信できるシステム
製品の主な特長
1. 1200/9600bpsのパケット通信が可能なAX.25準拠のTNCを内蔵
  「TM-D710シリーズ」は、AX.25準拠のTNCを内蔵し、本体のみでAPRS、ナビトラの運用が可能。また、「TM-D710シリーズ」をパソコン(以下:PC)に直接接続するだけで、1200/9600bpsのパケット通信が可能です。
2. データ通信システム「APRS」を標準搭載
  「TM-D710シリーズ」は、データ通信システムAPRSの開発者であるBob Bruninga氏(WB4APR)の協力によりAPRSシステムのプログラムを開発。このプログラムを本体に内蔵することにより、PCを必要としない手軽なAPRS運用が可能です。また、GPS受信機を接続することにより位置/方向/距離などの情報を、また気象観測装置を接続することにより気温/雨量などの気象情報を、「TM-D710シリーズ」に表示し、無線機間でこれら情報を交換/共有することができます。さらに、「TM-D710シリーズ」にPCを接続すれば、これらの情報をPCに出力でき、市場にある様々なAPRSアプリケーションソフトで地図上に表示することもできます。
3. データ通信システム「ナビトラ」に標準対応
  「TM-D710シリーズ」は、日本でのGPS位置情報システム「ナビトラ」に標準対応。コールサイン、緯度経度、自局からの方向と距離、グリットスクエアロケーター、着信時間などを「TM-D710シリーズ」で表示することができます。
4. 高い操作性を実現するセパレート式の大型パネルを採用
  操作性と設置自由度を重視したセパレート式の大型パネルは、各キーの機能を液晶に表示させることにより、多彩な機能へすぐアクセスできます。車載用にはパネルアングルを使用して、ダッシュボードへ設置、固定運用ではベーススタンドを使用してPCの脇へ設置と2種類のパネル設置台を同梱しました。
5. 2色のバックライトの選択が可能な大型液晶を採用
  視認性を重視した大型液晶は、アンバー/グリーンの2色のバックライトの選択が可能。また、様々な設置環境を考慮し表示のコントラスト可変、ネガポジ反転にも対応しています。
6. 送信出力50Wでゆとりのハイパワー(TM-D710S)
  送信出力はHI/MID/LOWの3段階から選ぶことができ、VHF/UHFともに最大50Wのハイパワー運用が可能になります。(TM-D710はVHF/UHFともに20W)
7. 同一バンド内2波同時受信(V×V、U×U)機能を搭載
  144MHz帯と430MHz帯の2波同時受信機能に加えて、同一バンド内の2波同時受信機能を搭載しました。例えば、コールチャンネルとローカルチャンネル、レピータとローカルチャンネルのように、144MHz帯および430MHz帯で同一バンド内の2波同時待ち受けが可能です。
8. 余裕の1000メモリーチャンネルを装備
  通常のメモリーチャンネルは1000チャンネルに対応(全チャンネルがスプリットメモリー対応)。さらにプログラムスキャンは10種類までメモリー可能です。すべてのメモリーチャンネルに最大8文字(英数字)までのメモリーネームを、周波数とともに登録することができます。
9. ノード局(アクセスポイント)に簡単アクセス、EchoLinkメモリー
  最大10個のEchoLink専用DTMFメモリーに、コールサインとノード番号、制御コマンドなどを登録することができます。また、コールサイン・DTMF自動変換機能により、EchoLinkで使用される"Connect by call"や"Query by call"も簡単な操作ができます。さらに、メモリーコントロールプログラム「MCP-2A Ver2.0」を用いてEchoLinkメモリーの管理も可能です。なお、無線機からEchoLink のノード局にアクセスするだけの場合は、専用ソフトウェアやコールサインの登録などは必要ありません。(PCとの接続にはオプションのプログラミングケーブル「PG-5G」またはPCインターフェースケーブルキット「PG-5H」が必要です)
10. EchoLink Sysopモード機能で、ノード局運用が可能
  「TM-D710シリーズ」と、EchoLinkソフトウェアをインストールしたPCとを接続してEchoLinkのノード局を簡単にセットアップできます。(PCとの接続にはオプションのPCインターフェースケーブルキット「PG-5H」が必要です)
主な定格
TM-D710S TM-D710
一般仕様
送受信周波数範囲 Band A & B 144 - 146MHz
430 - 440MHz
受信周波数範囲 Band A
Band B
118 - 524MHz*
136 - 524MHz*
800 - 1300MHz*
(*セルラーバンド等一部周波数を除く)
電波型式 F1D、F2D、F3E
アンテナインピーダンス 50Ω
電圧範囲 DC13.8V ±15%(マイナス接地)
使用温度範囲 -20°C〜 +60°C
周波数安定度 ±5ppm以内(-10°C〜+50°C)
消費電流
送信時 144MHz帯 HI
    MID
    LOW
  430MHz帯 HI
    MID
    LOW
13.0A以下
5.5A以下
4.0A以下
13.0A以下
6.5A以下
5.0A以下
7.5A以下
4.5A以下
3.5A以下
8.0A以下
4.5A以下
3.5A以下
受信時 1.2A以下(低周波出力2W時)
寸法
(幅×高さ×奥行)
突起物含まず パネル部
  本体部
155×70×38mm
140×43×142 mm
突起物含む最大寸法 パネル部
  本体部
156×71×56mm
140×44×158mm
質量 パネル部
  本体部
約0.3kg
約1.2kg
送信部
送信出力
HI 144MHz帯/430MHz帯
MID 144MHz帯/430MHz帯
LOW 144MHz帯/430MHz帯
50W/50W
約10W/約10W
約5W/約5W
20W/20W
約10W/約10W
約2W/約2W
変調方式 リアクタンス変調
最大周波数偏移 ±5kHz以内
スプリアス発射強度 -60dB以下
変調歪(300Hz〜3kHz) 3%以下
マイクロホンインピーダンス 600Ω
受信部
受信方式 ダブルスーパーヘテロダイン方式
中間周波数 第1IF(A Band/B Band)
第2IF(A Band/B Band)
45.05MHz/49.95MHz
455kHz/450kHz
受信感度 144MHz帯/430MHz帯 0.16μV(-16dBμ)以下
スケルチ感度 144MHz帯/430MHz帯 0.1μV(-20dBμ)以下
選択度 -6dB帯域幅
-50dB帯域幅
11kHz以上
30kHz以下
低周波出力(8Ω) 2W以上(5%歪時)
※測定法はJAIAで定めた測定法による
ケンウッドは、「Mobile & Home Multimedia System」の分野で、カーエレクトロニクス、コミュニケーションズ、ホームエレクトロニクスの3事業を展開しています。そして、国内11社、海外25社の関連会社とともに、「新鮮な驚きや感動で人々に幸せな気持ちを創ろう。」というビジョンの実現をめざします。

報道・出版窓口:株式会社ケンウッド CR統括部 広報・IR室 久保田
TEL:042-646-6724 FAX:042-646-1440 E-mail:pr.qa@kenwood.co.jp

製品ポジやカタログのお問い合わせ窓口:株式会社ケンウッド ブランド戦略統括部 宣伝室
TEL:042-646-6733 FAX:042-646-6729

一般顧客窓口:ケンウッドカスタマーサポートセンター
TEL:0570-010-114(ナビダイヤル) 携帯電話・PHS・IP電話:045-933-5133 FAX:045-933-5553

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