• 2009年03月13日
  • 業務用無線

新製品案内

システム構築コストの低減を可能とする一斉同報通信システム
VoIP ラジオ ディスパッチ システムを新発売

株式会社ケンウッド(社長:塩畑 一男、本社:東京都八王子市)は、無線機のネットワーク接続によりシステム構築の手間やコストの低減が可能な米国子会社Zetron Inc.(以下「Zetron社」)のVoIP ラジオ ディスパッチ システム「SERIES 6000 VoIP RADIO DISPATCH SYSTEM」(以下「VoIP RDS」)を4月上旬より販売します。

ケンウッドがZetron社の無線通信システムを日本国内で本格的に販売するのは初めてで、これにより業務用無線機器の事業領域を拡大するとともに、日本国内における同事業の拡充をはかります。


※株式会社ケンウッドは、日本ビクター株式会社との経営統合にともない、2008年10月1日付で株式移転の方法により設立された共同持株会社「JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社」の100%子会社となりました。

品名 型番 希望小売価格
(本体価格)
販売開始時期
VoIP ラジオ ディスパッチ システム SERIES 6000
VoIP RADIO DISPATCH SYSTEM
オープン価格 4月上旬

●企画背景と製品の概要

ケンウッドは、世界第2位のマーケットシェアを有する業務用無線機器の事業領域を無線端末の供給からシステムソリューションへの供給へと拡大するため、官公庁向けおよび一般業務用の無線通信指令・管制システムや無線通信ネットワークシステムの開発・生産・販売をグローバルに展開する米国の無線通信システム事業会社、Zetron社を2007年5月に子会社化しました。

無線通信システムは、即時に一斉に確実に通話ができるといった携帯電話にはないメリットがあり、警察や消防などのPublic Safety(公共安全)分野やホテルや工場といったBusiness & Industry(民間産業)分野など幅広い業種・職種で安定した需要があります。

この度発売するVoIP ラジオ ディスパッチ システム(VoIP RDS)は、PCコンソール(指令卓)と基地局無線機間の音声データ送受信にLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)を用いるVoIP(Voice over Internet Protocol)技術によって、無線機をIP網に接続するシステムです。汎用PCに専用アプリケーションをインストールすることにより、従来の高額な専用設計された指令卓が不要となり、システム構築の手間やコストの低減が可能となりました。また、不感エリアの解消、お客様のニーズに合わせた通話エリアの拡大、遠隔地の無線機の制御が可能です。さらに、一斉通話/選択通話/グループ間通話など各種通話方法をPCコンソールより選択できるほか、最大12台までのPCコンソールと最大20台までの基地局無線機の増設ができるため、高層ホテルやショッピングモールなどの大型施設から小規模な案件まで柔軟に対応可能です。

ケンウッドは、VoIP ラジオ ディスパッチ システム(VoIP RDS)の国内発売を機に、日本国内へもZetron社製無線通信システムの展開を開始し、業務用無線機器の事業領域を端末供給からトータルシステム供給へと拡大する取り組みを加速するとともに、日本国内における業務用無線機器事業の拡充をはかります。


●VoIP RDS システムイメージ図


●VoIP RDS 主な特長

1.PCコンソールによる無線統制機能

一斉同報/グループ通話/個別通話など各種通話方法をPCコンソールより選択可能です。
グルーピングされた基地局無線に中継機能を設定することで、複数の基地局無線の中継動作が可能です。


2.柔軟なシステムの拡張性

最大12台までのPCコンソールと、最大20台までの基地局無線機の増設および遠隔操作が可能です。


3.通信の相互運用性(インターオペラビリティ)

複数の基地局無線システムでの相互運用が可能です。


4.使いやすいGUI採用

従来のラジオディスパッチ機能をPCコンソール化しました。情報の表示にグラフィックを多用し、大半の基礎的な操作をマウスなどによって行なうことができるGUI(Graphical User Interface)を採用することにより、ストレスなく操作できる、使いやすい設計となっています。


5.機能拡張性

将来のシステム(PCコンソール、VoIPラジオゲートウェイ)のアップグレード(有償)に対応可能です。



●VoIP RDSシステム構成


●主な定格

ホストPC要件

推奨OS Microsoft® Windows® XP Professional SP2(英語版)
プロセッサ 2GHz Intel® Pentium® 4または相当以上
ハードディスク 30GB以上の空き容量が必要となります。
RAM 512MB、もしくはOSが推奨するメモリ容量以上であること。
メモリドライブ ソフトウェア・インストール用CDROMドライブ(24倍速以上)
ポイント・デバイス 2/3ボタンマウスまたはトラックボール。もしくはタッチスクリーン。
キーボード 101/102英語キーボードまたはPS/2キーボード
ビデオ・ディスプレイ 1280×1024(SXGA)ピクセルサイズ以上。17インチ以上を推奨します。
4MB以上のビデオメモリを推奨します。
I/O USB2.0を1ポート以上用意して下さい。
タッチスクリーンを利用される場合は2ポート以上ご用意下さい。
USBハブを利用される場合は外部電源供給タイプのハブをご用意下さい。
オーディオ Zetron社が提供するサウンドカードをご利用下さい。
カードスロット PCIフルサイズスロットを1スロット以上ご用意下さい。
ネットワークインタフェース 100Base-T/オートネゴシエーション(RJ45)

IPネットワーク要件

SRG IPペイロード アイドル時 1Kbps、動作時 130Kbps
VoIP RDS Workstation
IPペイロード
アイドル時 1Kbps、動作時(無線機1台あたり)130Kbps
ペイロードに対するバンド幅 40%以下(ミッションクリティカルでは30%以下)
音質を保証するために2〜3倍のバンド幅が必要
パケットロス 5%以下(ミッションクリティカルでは0.1%以下)
パケット遅延 500 ms以下(ミッションクリティカルでは40ms以下)
パケットジッター 100 ms以下(ミッションクリティカルでは20ms以下)
ネットワーク フル・スイッチド・イーサネット
フル・デュプレックス
パッシング・マルチキャストUDP
ミッションクリティカルの用途では他のIPトラフィックとの共用は音声品質の低下要因になりますので控えて下さい。

ラジオ ゲートウェイ仕様

寸法 高さ38.1×幅196.9×奥行206.4mm
重量 862g
使用温度範囲 0〜+60℃

定格

電源電圧範囲 DC 10.6 〜 16V
消費電流 1A以下
ネットワークインタフェース 100Base-T/オートネゴシエーション(RJ45)
Vocoder Support G.711(PCM符号化方式) μ-law
DSP Resources データメモリ:16KWords、プログラムメモリ:16KWords
処理速度:72MIPS

ラジオ ゲートウェイ オーディオ部特性

周波数特性 300Hz〜3400Hz +1/-3dB
ハム、ノイズ、クロストーク 45dB以下(定格出力)
歪率 3%以下
ラインバランス 60dB(1004Hz)
ラインインピーダンス 標準 600Ω
非送信時の送信ペアにてオプション3500Ω以上
4ワイヤ受信において3500Ω以上
ラインペア 4ワイヤ(送受信分離)又は2ワイヤ(送受信混合)ハーフデュプレックス
ライン送信出力レベル -35dBm 〜 +10dBm
ライン受信入力レベル -35dBm 〜 +10dBm
コールインジケータ点灯感度 -35dBm 〜 0dBm
トーンリモートコントロール
Guard Tones
2100Hz, 2175Hz, 2300Hz, 2325Hz, 2600Hz, 2800Hz, 2970Hz, +/- .2%.
トーンリモートコントロール
Function Tones
350Hz to 2050Hz in 100Hz increments(18 total) +/- .2%
レベル:-6dBから+3dB、継続時間:20msから100ms
ローカル受信入力 インピーダンス 50kΩ、40mVpp 〜 5Vpp
ローカル送信出力 インピーダンス 50Ω、 40mVpp 〜 5Vpp
PTT/M-Lead 信号 最大50mA、最大24V (開放電圧)

●商標について

■ZetronはZetron社の登録商標です。

■Microsoft®、Windows®は、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。

■Pentium®およびIntel®は、Intel Corporationの米国または他の国における商標または登録商標です。


ケンウッドは、「Mobile & Home Multimedia System」の分野で、カーエレクトロニクス、コミュニケーションズ、ホームエレクトロニクスの3事業を展開しています。そして、国内13社、海外27社の関連会社とともに、「新鮮な驚きや感動で人々に幸せな気持ちを創ろう。」というビジョンの実現をめざします。


本件に関するお問い合わせ先

  • 報道・出版窓口:JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社 事業戦略推進部 宣伝・パブリシティ担当
    TEL:03-5537-1820 FAX:03-5537-1875 E-mail:pr.qa@kenwood.co.jp
  • 一般顧客窓口:株式会社ケンウッド無線システム事業部営業部
    TEL:045-939-6271 FAX:045-939-6274

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