- 2010年8月13日
高次元の受信性能とユーザーフレンドリーを実現したアマチュア無線機
HF/50MHz オールモードトランシーバーTS-590シリーズを新発売
ケンウッドは、高次元の受信性能を実現し、入門者からDX’erまで様々なシチュエーションで快適な通信を楽しめるアマチュア無線機の新商品HF/50MHz オールモードトランシーバーTS-590シリーズを10月上旬より発売いたします。
品名 | 型名 | 希望小売価格 (本体価格) |
発売時期 |
---|---|---|---|
HF/50MHz オールモードトランシーバー (出力100W) |
TS-590S | 228,900円 (218,000円) |
10月上旬 |
HF/50MHz オールモードトランシーバー (出力50W) |
TS-590D | 228,900円 (218,000円) |
10月上旬 |
HF/50MHz オールモードトランシーバー (出力HF:10W/50MHz:20W) |
TS-590V | 228,900円 (218,000円) |
10月下旬 |
●企画背景と製品の概要
近年、アマチュア無線機器市場におけるHF帯の無線機器は金額シェアで約半分の構成比を持ち、大きな割合を占めています。コミュニケーションズ(無線通信)事業をコア事業の一つとするケンウッドは、無線市場において先進の技術を搭載した商品をグローバルに展開して高いプレゼンスを有しておりますが、無線事業全体にとっても、アマチュア無線市場は欠かせない市場であると認識しています。
このたび発売するTS-590シリーズは、ダウンコンバージョン方式の採用による優れた近接ダイナミックレンジ特性、32bit浮動小数点DSPの搭載、進化したDSP技術で実現した独自のIF AGC制御など、先進の技術でHF機において真に求められている高次元の受信性能を実現しています。
また、直感的な操作が可能なメニューキーや、視認性に優れた大型ディスプレイを搭載することで快適な操作性を実現したほか、USB端子を装備し、USBケーブル1本でPCとの接続が可能です。
なお、本商品は2010年8月21日(土)、22日(日)に東京ビッグサイトにて行われるアジア最大のアマチュア無線イベント「アマチュア無線フェスティバル ハムフェア2010」の当社ブースにて展示予定です。
●TS-590シリーズの主な特長
1.高いパフォーマンスを誇る受信性能、驚愕の近接ダイナミックレンジ特性
■強力な500Hz/2.7kHz ルーフィングフィルターを採用
21MHz以下の主要アマチュアバンドの受信時に、第一IF周波数11.374MHzのダウンコンバージョン方式*を採用。Mixer直後の1stルーフィングフィルター(BW6kHz)でNBの近接特性を向上させ、さらに受信近接特性を決定するPost Amp後の2ndルーフィングフィルターにはBW500Hzと2.7kHzの6ポールMCFを標準装備したことで、アップコンバージョン方式の従来機ではなしえなかった優れた近接ダイナミックレンジ特性を実現しました。妨害波が受信周波数に近づいてもほぼフラットなダイナミックレンジ特性を維持し、近接の強力な妨害信号が問題となるような受信状況においても、クリアに信号をキャッチできます。
* 1.8/3.5/7/14/21MHz帯のアマチュアバンドで、CW/FSK/SSBモード受信時、最終通過帯域幅が2.7kHz以下のときに自動的に選択されます。
■DDS(ダイレクト・デジタル・シンセサイザー)による優れたC/N(Carrier to Noise ratio)特性。近接不要信号のノイズ発生を大幅に減少
第一局発は、従来のPLL/VCO方式ではなく、DDS(ダイレクト・デジタル・シンセサイザー)の出力を直接ミキサーに供給します。ダウンコンバージョン時には発振周波数がアップコンバージョン方式よりも低くなるため、さらにC/N特性に優れた出力となり、良好なレシプロカルミキシング*特性を獲得しています。
*レシプロカルミキシング:受信周波数から離れた周波数にシグナルジェネレーターの出力をあたえ、その出力レベルを可変し、ノイズとして検出できるレベルを測定します。この数値が高いほど近接不要信号によるノイズの発生が少なく、静かな受信が可能となります。
2.様々な機能を具現化する、32bit浮動小数点DSPの採用
■IF段からのデジタル信号処理による高度なAGC制御
TS-870でアマチュア機初のDSPによるIF AGC制御を実現したケンウッド。TS-590シリーズではそのDSP技術をさらに発展させ、IF段からDSP処理をおこなう独自のIF AGC制御方式を開発しました。ルーフィングフィルターと最終IF通過帯域幅の隙間に存在する信号に対しても、そのレベルに応じて最適なAGC制御を行うことができ、ルーフィングフィルターの帯域幅を意識することなく、常に最適な運用ができます。また、最終IF通過帯域(受信帯域)における目的信号のゲイン制御性能も大幅に向上させ、高級機にも匹敵するインバンドIMD(歪)特性を実現しました。新世代のケンウッドトーンで快適な受信が可能です。
3.安定した運用を約束する、高信頼設計
■100W* ヘビーデューティー仕様
従来機と同サイズの60mm角ファンを2個使用したツインクーリングファンシステムを採用しました。ファンを2個使用することで十分な風量を低回転で得られるため、静粛性にも優れています。また、ファンやモーター音だけではなく、吸排気口の形状やサイズにもこだわり、トータルな静粛性を実現しています。さらに、大型ヒートシンクと一体になったアルミダイキャストシャーシは効率的に熱を拡散させ、連続送信時のファイナル部の温度上昇を最小限に抑えています。コンテストや長時間のハードな運用、過酷な環境下でも充分に耐えるヘビーデューティー仕様です。
* TS-590Sのみ
■オートアンテナチューナー内蔵
クイックなバンドチェンジができ、受信時にも動作可能なプリセットタイプのオートアンテナチューナーを内蔵しています。送信周波数が変わると、アンテナバンドごとに記憶しているチューニングプリセットデータがアンテナチューナー回路にセットされ、再度チューンせずに素早くアンテナチューナーを最良のマッチング状態にします。
■TCXO標準搭載による±0.5ppmの高い周波数安定度
TCXO(温度補償型水晶発振器)を標準搭載することにより、-10℃〜+50℃の広い温度範囲において±0.5ppmの高い安定度を得ています。
4.優れた操作性、より快適な送受信
■使いやすいメニュー、優れた操作性
TS-590シリーズには87種類のメニュー機能を搭載していますが、メニューキーと十字キーの組み合わせで直感的に操作できます。メインエリアにメニューモードを表示し、サブエリアにはその内容のガイダンスをスクロールしながら表示するので、さまざまな細かい操作ができます。
■選べる2色のLEDバックライトを搭載した大型ディスプレイ
あらゆる状況下で、優れた視認性を発揮する大型のディスプレイ。LEDバックライトは、アンバーとグリーンの2色を切り替えられます。
■USB経由で可能なPCコントロール
従来からのCOM端子に加え、新たにUSB端子を装備したことにより、USBケーブル1本でPCコントロールと送受音声の接続ができます。
●TS-590シリーズの主な定格
一般仕様 | |||
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周波数範囲 | 160mバンド | 1.810〜1.825MHz, 1.9075〜1.9125MHz | |
80mバンド | 3.500〜3.575MHz, 3.599〜3.612MHz, 3.680〜3.687MHz, 3.702〜3.716MHz, 3.745〜3.770MHz, 3.791〜3.805MHz | ||
非常連絡設定周波数 | 4,630kHz | ||
40mバンド | 7.0〜7.2MHz | ||
30mバンド | 10.1〜10.15MHz | ||
20mバンド | 14.0〜14.35MHz | ||
17mバンド | 18.068〜18.168MHz | ||
15mバンド | 21.0〜21.45MHz | ||
12mバンド | 24.89〜24.99MHz | ||
10mバンド | 28.0〜29.7MHz | ||
6mバンド | 50.0〜54.0MHz | ||
受信周波数範囲 | 0.13〜30MHz, 50〜54MHz (VFOは30kHz〜60MHzを連続で動作します) |
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電波型式 | A1A(CW), A3E(AM), J3E(SSB), F3E(FM) | ||
周波数安定度 | -10℃〜+50℃, ±0.5ppm以内 | ||
アンテナインピーダンス | 50Ω | ||
アンテナチューナー整合範囲 | 16.7〜150Ω | ||
電源電圧範囲 | DC 13.8V ±15% | ||
消費電流 | 送信時最大 | 20.5A以下(TS-590S/TS-590D), 12A以下(TS-590V) | |
受信時(無信号時) | 1.5A以下 | ||
使用温度範囲 | -10℃〜+50℃ | ||
外形寸法 | 突起物含まず | W270×H96×D291mm | |
突起物含む | W280×H107×D335mm | ||
質量 | 7.4kg | ||
送信部 | |||
送信出力 ( )内はAM |
TS-590S | 100W(25W) | |
TS-590D | 50W(25W) | ||
TS-590V | HF:10W(5W)/50MHz:20W(5W) | ||
変調方式 | SSB:平衡変調 FM:リアクタンス変調 AM:低電力変調 | ||
最大周波数偏移(FM) | ワイド:±5kHz以下、ナロー:±2.5kHz以下 | ||
送信スプリアス | HF:-50dB以下 50MHz帯:-63dB以下(TS-590S), -60dB以下(TS-590D/TS-590V) |
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搬送波抑圧比 | 50dB以上 | ||
不要測波帯抑圧比 | 50dB以上 | ||
送信周波数特性 | 400〜2,600Hz:-6dB以内 | ||
マイクロホンインピーダンス | 600Ω | ||
XIT可変範囲 | ±9.999kHz | ||
受信部 | |||
受信方式 | RX1※1 | RX2※2 | |
ダブルスーパーヘテロダイン | トリプルスーパーヘテロダイン | ||
中間周波数 | 第1IF | 11.374MHz | 73.095MHz |
第2IF | 24kHz | 10.695MHz | |
第3IF | ― | 24kHz(FM以外)/455kHz(FM) | |
受信感度 | SSB/CW/FSK (S/N 10dB) |
-6dBμ(0.5μV)以下(0.13〜0.522MHz) 12dBμ(4μV)以下(0.522〜1.705MHz) -14dBμ(0.2μV)以下(1.705〜24.5MHz) -18dBμ(0.13μV)以下(24.5〜30MHz) -18dBμ(0.13μV)以下(50〜54MHz) |
|
AM (S/N 10dB) |
16dBμ(6.3μV)以下(0.13〜0.522MHz) 30dBμ(31.6μV)以下(0.522〜1.705MHz) 6dBμ(2μV)以下(1.705〜24.5MHz) 2dBμ(1.3μV)以下(24.5〜30MHz) 2dBμ(1.3μV)以下(50〜54MHz) |
||
FM (12dB SINAD) |
-13dBμ(0.22μV)以下(28〜30MHz) -13dBμ(0.22μV)以下(50〜54MHz) |
||
スケルチ感度 | SSB/CW/FSK/AM | 15dBμ(5.6μV)以下(0.13〜0.522MHz) 25dBμ(18μV)以下(0.522〜1.705MHz) 5dBμ(1.8μV)以下(1.705〜30MHz) 1dBμ(1.1μV)以下(50〜54MHz) |
|
FM | -14dBμ(0.2μV)以下(28〜30MHz) -14dBμ(0.2μV)以下(50〜54MHz) |
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イメージ妨害比 | 70dB以上 | ||
中間周波数妨害比 | 70dB以上 | ||
選択度 | SSB | 2.2kHz以上(-6dB) 4.4kHz以下(-60dB) |
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CW/FSK | 500Hz以上(-6dB) 1.2kHz以上(-60dB) |
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AM | 6kHz以上(-6dB) 12kHz以下(-50dB) |
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FM | 12kHz以上(-6dB) 25kHz以下(-50dB) |
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RIT可変範囲 | ±9.999kHz | ||
ノッチフィルター減衰量 | 60dB以上(Auto), 70dB以上(Manual) | ||
ビートキャンセル減衰量 | 40dB以上 | ||
低周波出力 | 1.5W以上(8Ω) | ||
低周波出力インピーダンス | 8Ω |
測定数値はJAIAで定めた測定法によるものです。
※1 RX1:1.8/3.5/7/14/21MHz帯で、IF帯域幅が2.7kHz以下のとき(SSB/CW/FSK)
※2 RX2:上記以外のとき
本件に関するお問い合わせ先
- 【報道関係窓口】
- JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社 経営戦略部 宣伝・パブリシティ担当
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