- 2010年10月29日
高性能GPSユニットを内蔵し、より快適なAPRS®運用を可能としたアマチュア無線機
144/430MHz FMデュアルバンダー「TH-D72」を新発売
ケンウッドは、高性能GPSユニットを内蔵し、APRS®(Automatic Packet Reporting System)※1機能を充実させることにより一層アマチュア無線を楽しめる144/430MHz FMデュアルバンダー「TH-D72」を12月上旬より発売いたします。
品名 | 型番 | 希望小売価格 (本体価格) |
発売時期 |
---|---|---|---|
144/430MHz FMデュアルバンダー | TH-D72 | 62,790円 (59,800円) |
12月上旬 |
●企画背景と製品の概要
コミュニケーションズ(無線通信)事業をコア事業の一つとするケンウッドは、無線市場において先進の技術を搭載した商品をグローバルに展開し高いプレゼンスを有しておりますが、無線事業全体にとっても、アマチュア無線市場は欠かせない市場であると認識しています。
このたび発売する「TH-D72」は、“SiRFstar III™”チップセットを搭載した高性能GPSユニットを内蔵することにより、APRS®/ナビトラ※2の機能をさらに充実させました。緯度/経度など自局の位置情報やテキストメッセージなどのデータ通信を行なうことができ、特にアウトドアでの楽しみが大きく広がります。また、AX.25準拠のTNC(Terminal Node Controller)を内蔵することでPCを介さず本体のみでAPRS®やナビトラの本格的な運用を可能にしたほか、EchoLink®※3も手軽に運用いただけます。
さらにケーブル一本でPCとの接続が可能となるUSB(Mini-B)端子を搭載しているほか、メニューキーに加え十字キーを採用したことで、直感的に分かりやすく各種設定を行うことが可能です。また各キーはバックライト付きで暗い場所での操作性にも優れ、さらに画面にはフルドットマトリクスLCDを採用しているので文字やアイコンも見やすくなっています。
※1:1992年にWB4APR(Mr. Bob Bruninga)が開発して以来、世界中で数万人のユーザーが使用している位置情報、英文字メッセージ、気象情報などのやり取りが可能なデータ通信システム
※2:GPS受信機で受信した位置情報と文字データを、アマチュア無線機を利用し相互通信できる日本向けシステム
※3:VoIP(インターネット経由の音声通信)を利用してアマチュア無線を中継するシステムの一種
●「TH-D72」の主な特長
1.高性能GPSユニットを内蔵
本体上面にGPSユニットを内蔵。GPSユニットには定評のあるSiRFstar III™チップセットを搭載しました。
■ターゲットポイント機能
目標地点(最大5つまでプリセット可)までの距離と方角をリアルタイムに表示します。方角表示はノースアップ(北上)に加え、分かりやすいヘディングアップ(進行方向上)へもワンタッチで切り替え可能です。
■GPSロガー機能
- 最大5000ポイントの位置情報を本体内蔵メモリーへ保存
- 保存するタイミングは、時間間隔、移動距離、ビーコン送信ポイントの3種類の中から指定が可能(例:10秒間隔指定の場合、約14時間の記録が可能)
- メモリーコントロールプログラムMCP-4AでGPSログ情報をGoogle Earth™地図サービスに対応したkmlファイル形式に変換
- 無線機機能をOFFにした状態でGPSのみ動作させることで、より長時間の運用が可能(最大約35時間)
2.データ通信システム「APRS®」を標準搭載
APRS(Automatic Packet Reporting System)開発者であるBob Bruninga(WB4APR)氏の協力により、APRSシステムに対応したプログラムを開発し、これを本体に内蔵。パソコンを必要とせず、TH-D72のみで手軽なAPRS運用を可能にしました。内蔵のGPS受信機によって得られる位置情報や、気象観測装置を接続することで得られる気象情報を無線機間で交換/共有することができます。さらに、TH-D72にパソコンを接続してAPRSアプリケーションソフトを使うと、これらの情報を地図上に表示することもできます。
3.USB(Mini-B)端子を装備
付属のUSBケーブルでパソコンに直接接続できます。
4.AX.25準拠1200/9600bpsパケット対応TNC内蔵
AX.25準拠のTNC(Terminal Node Controller)を内蔵し、本体のみで本格的なAPRS、ナビトラの運用が可能です。また、TH-D72を付属のUSBケーブルでパソコンに接続して内蔵TNCをコントロールすることで、APRSのさまざまなアプリケーションを使用することができます。IGate局(無線とインターネットのゲートウェイ局)やデジピーター局(無線パケット通信の中継局)の運用も可能です。
5.スタンドアローンデジピーター機能
TH-D72単体でも、デジピーター局として運用することが出来ます。アウトドアなどの様々なシチュエーションで臨時の中継局が構成でき、山に囲まれた盆地のようなロケーションからのデータ通信もサポートすることが可能です。
6.データ通信システム「NAVITRA - ナビトラ」にも標準対応
日本で開発されたGPS使用システム、ナビトラに対応。受信したナビトラのパケットデータはAPRSパケットデータと同じステーションリストで扱われるため最大100局を保持します。
7.EchoLink®メモリーでノード局に簡単アクセス
最大10個のEchoLink専用DTMFメモリーに、コールサインとノード番号、制御コマンドなどを登録できます。また、コールサイン・DTMF自動変換機能により、EchoLinkで使用される“Connect by call”や“Query by call”も簡単な操作で行えます。さらに、MCP-4AでEchoLinkメモリーの管理も可能です。
8.操作性、視認性を考慮したデザイン
メニューキーに加え十字キーを採用したことで、直感的に分かりやすく各種設定を行うことができます。各キーはバックライト付きで暗い場所での操作性にも優れ、画面もフルドットマトリクスLCDなので小さい文字やアイコンも見やすくなっています。上部のつまみはエンコーダー2軸ノブとなっていて、音量調節と周波数可変操作をそれぞれ独立して行えます。
9.米国軍用規格MIL-STD810とIP54の防塵防滴に対応
過酷な使用条件を想定して、堅牢性、防滴性を高めました。MIL-STDでは降雨・湿度・振動・衝撃の規格をクリア。IP54の防塵防滴性能も持ち合わせており、ちょっとした雨にも安心なヘビーデューティー仕様になっています。
10.同梱の大容量バッテリーによる、長時間運用
1,800mAhのリチウムイオン充電池が付属しており、最大送信出力5W(HI)設定時で、約6時間の連続運用が可能です。なお、送信出力はHI:5W/Low:0.5W/EL:0.05Wの3段階から選ぶことができます。
11.同一バンド内2波同時受信(V×V、U×U)機能
144MHz帯と430MHz帯の2波同時受信機能に加えて、同一バンド内の2波同時受信機能を持っています。例えばコールチャンネルとローカルチャンネル、レピータチャンネルとローカルチャンネルのように、144MHz帯および430MHz帯で同一バンド内の2波を同時待ち受けすることができます。
●「TH-D72」の主な定格
一般仕様 | |||
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送信周波数範囲 | Aバンド/Bバンド | TX(VHF) | 144 - 146 MHz |
TX(UHF) | 430 - 440 MHz | ||
受信周波数範囲 | Aバンド | RX(VHF) | 136 - 174 MHz |
RX(UHF) | 410 - 470 MHz※一部周波数除く | ||
Bバンド | RX(VHF) | 118 - 174 MHz | |
RX(UHF) | 320 - 524 MHz※一部周波数除く | ||
電波型式 | F1D, F2D, F3E | ||
アンテナインピーダンス | 50Ω | ||
電圧範囲 | 外部電源端子 | DC 12.0-16.0 V(標準電圧: DC 13.8 V) | |
バッテリー端子 | DC 5.5-9.0 V(標準電圧: DC 7.4 V) | ||
使用温度範囲 | -20 ℃ 〜 +60 ℃ | ||
付属PB-45L使用時 | -10 ℃ 〜 +50 ℃ | ||
周波数安定度 | ± 5 ppm 以内(-10 ℃ 〜 +50 ℃) | ||
電池使用可能時間(PB-45L) | HI | 約6時間 | |
LOW | 約12時間 | ||
EL | 約15時間 | ||
寸法(幅×高さ×奥行) | 突起物含まず PB-45L装着時 | 58 x 121.3 x 33.2 mm | |
突起物含む PB-45L装着時 | 58 x 140 x 39.8 mm | ||
質量 | PB-45L 装着時 | 約370 g(アンテナ、ベルトフック含む) | |
送信部 | |||
送信出力 | HI | 5 W | |
BT-15使用時 | 約2 W | ||
LOW | 約0.5 W | ||
EL | 約0.05 W | ||
変調方式 | リアクタンス変調 | ||
最大周波数偏移 | ± 5 kHz以内 | ||
送信スプリアス | -60 dB以下 | ||
変調歪(300 Hz 〜 3 kHz) | 3 %以下 | ||
マイクロホンインピーダンス | 2 kΩ | ||
受信部 | |||
受信方式 | ダブルスーパーヘテロダイン方式 | ||
中間周波数 | 第1IF(Aバンド/Bバンド) | 49.95 MHz / 45.05 MHz | |
第2IF(Aバンド/Bバンド) | 450 kHz / 455 kHz | ||
受信感度(12 dB SINAD) | Aバンド / Bバンド | -15 dBμ(0.18 μV)以下 / -13 dBμ(0.22 μV以下) | |
スケルチ感度 | -18 dBμ(0.13 μV)以下 | ||
選択度 | -6 dB帯域幅 | 11 kHz以上 | |
-50 dB帯域幅 | 30 kHz以下 | ||
低周波出力(8 Ω, 10 %歪) | 300 mW 以上(7.4 V時) |
測定数値はJAIAで定めた測定法によるものです。
●商標について
●SiRFstarIIIはCSR plc.の登録商標です。●Google EarthはGoogle Inc.の登録商標です。●APRSはBob Bruninga氏の登録商標です。●EchoLinkはSynergenics, LLCの登録商標です。●ナビトラ/NAVITRAは、(株)ケンウッドの登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
- 【報道関係窓口】
- JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社 経営戦略部 宣伝・パブリシティ担当
TEL:045-444-5306 報道関係窓口お問い合わせフォームはこちら - 【お客様窓口】
- ケンウッドカスタマーサポートセンター
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